YODO6通信

2015年05月02日 03:54

諸悪の根源!格差  小西隆裕

                                    今、格差が問題になっている。安倍政治、アベノミクスを批判するとき、いの一番に挙げられるのも格差だ。ピケティ教授の資本主義への批判点も格差の拡大にある。実際、格差はそれ自体よくない。もちろん、その肯定面を積極的に強調する人もいるにはいるが、なんでも平等の平等主義との関係でのことだ。ところで、格差がなぜ良くないかと言えば、その根拠としてはいろいろある。普通一般にあるのは不平等だ。個人は一人一人皆平等だ。これは、ブルジョア革命の基本理念であり、それは今も生きている。 だが、格差が良くないのは、それに止まらない。社会という集団を見たとき、格差は往々にしてその分裂の根源になる。実際、貧富の差など、格差の拡大は、社会の一体感を損ない、分裂を招く。その上で、私が言いたいのは、格差が経済を破壊するということだ。格差が少しあった方が、競争心を高め、経済の発展にプラスだという見方があるのは事実だし、それが一定の妥当性を持っているのも事実だ。だが、弱肉強食むき出しの新自由主義で格差が拡大し甚だしくなったとき、それは経済を発展させるどころか、死に至らせる。日本や米国などの深刻な経済停滞は、そのことを教えてくれている。1%の超富裕層と99%の貧困層、東京への一極集中と地方の疲弊・崩壊、大儲けに沸く大企業と経営難にあえぐ中小企業、等々、極限にまで達してきている格差が何をもたらすか。それは、経済の極度の不均衡とそれによる循環の停滞だ。経済も生き物だ。生き物である経済の循環が止まったらどうなるか。それは死だ。一握りの超巨大独占資本へのカネの集中と絶対多数国民大衆の貧困化、それが膨大なカネ余り現象と広範なカネの欠乏を産み出し、経済循環の甚だしい停滞を産み出しているのは、周知の事実だ。資本主義が必然的に産み出し、新自由主義が加速する格差は、諸悪の根源として、安倍政権の倒壊を確固と約束している。